公益財団法人 鹿島美術財団

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  2. 河野 元昭 氏 インタビュー

休日は一島まるごとの別荘で

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ボストン滞在中の思い出などがあれば教えていただけますか。

河野 :

ボストンに行っていたのは、ちょうど大学が夏休みの時期だった。最初の1998年は河合正朝さんと榊原悟さんが一緒で、河合さんは海外研究でちょうどアメリカにいたんだよ。それじゃあ手伝ってよと言って、河合さんに声をかけた。翌年の調査は安村敏信さんと木村重圭さんと一緒だったね(図6)。2000年の調査は田島達也さんと成澤勝嗣さん。佐々木ご夫妻は全部ではなく部分参加だった。ティム・クラークさんは大英博物館で円山四条派の展覧会を考えていたんじゃないかな。そのためもあって、ほとんど全部の調査に付き合ってくれたように思う(図7)。最後の南画・諸派は佐藤康宏さん、後から辻さんが来たんだ。


図6:1999年、ボストン美術館内にて英一蝶「涅槃図」を前にして
左から:アン・ニシムラ・モース氏、ジョン・ローゼンフィールド氏(ハーバード大学教授)、シルヴァン・バーネット氏(タフツ大学教授)、ウィリアム・バート氏(マサチューセッツ大学ローウェル校教授)、安村敏信氏、河野元昭氏、島優氏(当時ボストン美術館スタッフ)
アン・ニシムラ・モース氏提供

図7:2000年、ニューベリー通りのレストランTapeoにて
左端から時計回りに:河野元昭氏、佐々木正子氏、佐々木丞平氏、木村重圭氏、岡みどり氏、アン・ニシムラ・モース氏、ルイーズ・ヴァージン氏(当時ボストン美術館アシスタントキュレーター)
アン・ニシムラ・モース氏提供
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このお写真がその時のでしょうか(佐藤康宏氏インタビュー図6を参照)。

河野 :

ここに写っているのが最後のときだ。2001年のスクワムレイクだね。現在、大英博物館にいるニコル・クーリッジ・ルマニエールさんが、ニューハンプシャー州のスクワムレイクという湖に浮かぶロングアイランド島を丸ごと持っていた。アメリカのクーリッジ元大統領の子孫なんだよ。そこに来てくれと言われて遊びに行った。毎週末の土日、湖畔に泊まっているボートに乗って島に行って週末を過ごす。全四回とも彼女が呼んでくれて、大変楽しかった。夜もそこで泊まって、ニコルさんが食事を作ってくれた。なかなか日本では経験できないよね。夏休みに得難い経験をしたな。その時、湖畔のセンター・サンドイッチで求めたペトラス・レグというオランダ陶磁会社のカップ&ソーサーの思い出は、『國華清話会会報』に書いたことがある。

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日々のお食事はどうされていたのでしょう。

河野 :

ボストンにはニューベリーストリートというのがあって、いろいろレストランがあってね。調査でくたくただったけれども、今日はこっち、明日はあっちと、毎日違ったレストランへ行ったね。辻さんがザガット・サーベイというレストラン案内書をくれたのでそれを使いながら。はずれることもあったけれども、ともかくそれを頼りに、あっちに行ったりこっちに行ったりして、大変楽しかったな。洋食、中華、エスニックと堪能したよ。

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